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リレー小説のやり方

・下記の①~④の中からお好きなものに「返信」をして続きを書いてください。「返信」をどんどん続けて話を進めましょう!
・執筆中に誰かと被るのが心配な方は、削除パスワードを入れて「執筆中」「書いています」などと一言残してから小説を投稿し、一言コメントを削除をするとよいかもしれません(削除しなくても構いません)
・創作キャラ、刀剣男士、誰が登場しても構いません。話の流れの関係で他人のキャラを借りる状況になった場合は、作者とキャラに敬意をもってお借りしましょう。
・お一人で何度書いても構いません。みんなで続けて長いお話にしましょう!

リレー小説④

 二月の和名は如月。衣更着とも書く。まだ寒さが残っていて、衣を重ね着する(更に着る)月だからとのこと。刀剣男士の中でも、たしかに衣を重ね着て丸々としている者がいる。雄々しく戦う姿とは結びつかない姿である。

Re: リレー小説④

  • kanoco
  • 2022/02/13 (Sun) 16:48:29
「うーーーーーん」

審神者だけではなく一般の人間たちも訪れる商店の一角。
華々しく飾られたコーナーの前に、随分と真ん丸な恰好になった包丁藤四郎がいた。

「どれも美味しそうだなあ……」

彼が視線を送っているのはうず高く積み上げられたチョコレートの数々。何やら横文字で色々と書かれてはいるが、包丁藤四郎は残念ながらあまり横文字の解読はあまり得意ではない。
だがそれはそれとして、宝石の如くキラキラと輝いて見えるチョコレートの上でうろうろと視線を彷徨わせていた。
まるまると着ぶくれした姿、ぐるぐる巻きにしたマフラーともこもこの手袋、本丸を出る前に一期一振に着けられた耳当て――一見すれば彼が刀剣男士であるということは気づかれないだろう。
現に、どうやら審神者ではない客からは迷子かなとかあの子チョコ好きなのかなと囁き合われている。

そんな中、包丁藤四郎に近づく人影――彼を刀剣男士であるとしっかり認識したうえで、その人物は包丁藤四郎に声をかけた。

Re: リレー小説④

  • 越季
  • 2022/02/13 (Sun) 19:09:12
「えっと、包丁藤四郎様ですか?」

 その紙の面をつけた人物、というより少女は、恐る恐るといったように首をかしげる。
 二つ結びの和服を着た幼い少女の方を向いた包丁は、唸り声を止めてそうだぞ、と頷いた。
「君は審神者さん?」
「はい、一応。……先程からこの売り場をうろうろしているみたいですが、何かお困りですか?」
 鼻から上が面で覆われているが、少女が心から包丁を案じているのは声音から判断できた。
 だからだろう、包丁はあっさりと「そうなんだよ」と唇を尖らせた。
「どれもこれも美味しそうで迷ってるんだよー。こっちの丸いのがいいかなー、でもこの白いのもいいかなーってなって決められなくてさ。……それにしてもなんでこんなにチョコレートがたくさんあるんだ?」
 別にお菓子がたくさんあるのはいいことだけどさ、と付け加えて包丁は再び唸る。
 お菓子好きの包丁の目の前に広がっているのは、正に宝の山だ。しかし、限りある小遣いで入手できるチョコレートはせいぜい一つか二つ。それならば、できる限り「アタリ」を手に入れたいというのが当然の心理だろう。
 おおおお、と頭を抱え始める包丁に、ぽつりと少女は呟いた。
「……もしかして、バレンタインデーを理解していない……?」
「? なんか言ったかー?」
 頭を抱えながら器用に少女に視線をやった包丁に、少女は「いえ、何でもありません」と縮こまった。気の小さい性格らしい少女は、それでもか細い声であるチョコレートを指さした。
「アドバイスと言ってはなんですが、あの赤いパッケージのチョコレートがいいと思います。値段の割に量も質もいいですから、きっと長く楽しめるのではないかと」
「赤いパッケージ……あれか! 見落としてたぞ、どれどれ」
 じっと商品説明の欄を見てから、包丁は一つ頷いて少女に笑いかけた。
「うん、これにするぞ! ありがとう、思わぬ掘り出し物を見つけられたよ」
「いえ、お役に立てたのなら何よりです」
 ホクホク顔で店の外へと向かう包丁に付き従い、少女も店外へ出る。口を笑みの形にしていた少女は、しばらくしてはっとした様子になると包丁に頭を下げた。
「私はここで失礼しますね。どうか良い一日を」
「うん、審神者さんも!」
 手を振ってから身をひるがえし、足取り軽く道を行く包丁。
 鼻歌交じりだった彼はしかし、次第に顔を青ざめさせ駆け足になっていった。振り返って少女がいないことを確かめると、包丁は身を震わせた。

「……え、あの子……影がなかった、よな?」

リレー小説③

 万屋街は今日も賑やかだった。
 誰もが親しみやすいこの街は、各本丸と時の政府からゲートで繋がっている。人間もいれば刀剣男士ももちろんおり、そしてそのどちらでもない者たちも、ここでは気兼ねなくショッピングや散歩を楽しんでいる。
「おっ、そこのお二人さん! どうだい、寄っていかないかい?」
 店主に声をかけられ、振り向いた。

Re: リレー小説③

  • 矢絣
  • 2021/08/08 (Sun) 11:36:33
書いてます

Re: リレー小説③

  • 矢絣
  • 2021/08/08 (Sun) 11:51:34
 キャッチの声に目を遣ると、なんともまあ、怪しげで胡散臭い店構えが、そこにはあった。老舗……と言えなくもないが。これは、一体何のお店なのだろうか。私一個人としては、興味があるので冷やかしたいのだが、今日の私は一人ではないし、それに、この後は重要なミッションが控えているのだ。……でもまだ時間はあるんだよなあ。私は同行者の顔をチラリと伺った。

Re: リレー小説③

  • 雅千花
  • 2021/08/08 (Sun) 14:27:43
 同行者の大般若長光が、目を輝かせてこちらを見ていた。私以上に寄る気満々である。
「こういう店にこそ掘り出し物があると思わないかい?」
「うーん、どうでしょうね。興味はありますが、胡散臭い偽物ばかりという可能性も」
「酒の尽きぬ猩々の酒壺、蓬莱の玉の枝、人魚の木乃伊、石を泳ぐ魚……の偽物だとしても、酒の肴にはなるだろうさ」
 それに、と彼は言った。
「いろいろな物を見るのも経験のうちさ。戦いと同じで、見ていくうちに見えてくるものがあるってもんだ」
 物は言い様だなという気はするが、同行者もノリノリなので、店に入ることにした。

Re: リレー小説③

  • やなあき
  • 2021/08/08 (Sun) 18:22:37
「じゃあ、これにしよう」
私は一際怪しいものに手をつけた。
「おや、主。それにするのかい」
大般若長光は、揶揄するように目を細めた。私が手に取ったものは、蓬莱の玉と書かれたものだ。価格は……交渉次第とあった。
「交渉次第ね……よーし!主!君の目利きを試される時だね!」
目利きってなんだ、目利きって。
店の奥にいる小柄な店主を見た。しかし、あれどう見ても
「へえ、これまた。狸が店番か」
そう、狸が鎮座していた。

Re: リレー小説③

  • ゆうか。
  • 2021/08/08 (Sun) 21:09:07
 いや、狸にそっくりの、と言うべきか。
 私たちが店に入った時から私と大般若長光とのやりとりをじぃっと窺っていた店主の顔は、まさに悪巧みを企てている狸そのもの。
 と言うより何より、店主の隣に立つ巨大な置物が問題だ。

 なんで狸。
 選りによってなんで狸。
 蓑笠をかぶり、酒瓶をぶら下げ、出っ張った腹と、あのうそのう、ご立派なアレ、で有名なあの置物。

「……これはこれは、審神者様と刀剣男士様。ようこそお越しくださいました」
 銜えていた煙管を下ろし、ふぅーと煙を吐く。慇懃な言葉とは裏腹に、無礼極まりないその態度は、うん、そうね、わかるわ……
 メチャクチャ怒ってらっしゃっる。

Re: Re: リレー小説③

  • 通りすがり
  • 2022/02/13 (Sun) 21:33:41
 え、私達、何かやらかしちゃったんだろうか。分からない。
 不安すぎて大般若さんの袖を軽く2度引っ張ったが、華麗なウィンクを返してくれただけだった。
 場慣れ!? 場慣れしてるとでも言いたいの!? 大般若さん! きみに任せた!(終わり)

リレー小説②

 ぱしゃん、と水音を立てて鯉が遊んでいる。汗が滴る日が続くこの季節には耳に涼やかで嬉しいものだ。
 さて、これから会議が開かれる。その準備に取り掛からなければ。

Re: リレー小説②

  • 兎乃
  • 2021/08/08 (Sun) 13:00:56
年に数回ある審神者会議。
一応参加は任意であるとされているが、担当の政府職員が勝手に出席と主催に返答している場合も多く、ほぼ強制である。
各地域の審神者が各地域毎に一斉に集まる大きな会議。ただし話す内容は必ずしも堅苦しいとは限らない。歴史修正主義者の最近の動向から、鍛刀キャンペーンが成功するお呪いなど多岐にわたる。
たくさんの人が一度に集まることから、審神者でない者も準備の為に多くこの場にいた。
そのうちの一人の男性は人数分の飲み物を確認する振りをして、横目で審神者達の様子を伺う。
―政府はほんと、見境がない。
この場にいる審神者たちは自分と同年代から祖父母よりももっと年上の者、果ては小学校にもまだ通っていないような小さな子供までいた。いくら戦況が厳しいとは言え、こんな小さな子供にまで戦を強いなくても…と男性はため息を吐く。
なんとなく男性が見ていた小さな少女の審神者は、仏頂面で部屋の端の方に座っている。こんな小さな女の子に、大人ばかりの会議は酷だろうと男性が少女へ同情していると、彼女の近侍らしい物吉貞宗がにこりと話しかけた。
「主様、せっかく会議に来たのですから、この機会にお友達を作っては如何でしょうか?」
「そんなもの作ってどうする。演練ぐらいしかやることないじゃろ」
「でも主様、あまりにお友達がいないのでボクこれからが心配で…」
「ほっとけ」
…前言撤回だ。やはりこの歳で審神者をやってる子が普通なわけなかった。
男性はため息を吐くと、えらく年よりくさいしゃべり方をする少女から視線を外し、他の審神者の観察に移った。

Re: リレー小説②

  • べこ
  • 2021/08/08 (Sun) 13:39:25
「わざわざこんな風に集まらなくても、WEB会議でもチャットでも何でも良いんじゃないかしら。いやだわ。」
「まぁまぁ主。愚痴は帰ってからでも良いじゃない。」

 そこに居たのは、年若い女性の審神者と燭台切光忠だった。
 その審神者は涼し気な柄の着物に身を包んでいるが、その首筋には汗をかいている。光忠がサッと手ぬぐいを取り出して、その汗にそっと布をあてがった。

「あぁ、もう、暑い。強制参加のうえ服装にも気を使わなきゃいけないなんて、なんて億劫なんでしょう。はやく本丸に帰りたいわ。」
「でもこの後アイスクリームを食べに行くんだろう。31種類から選べるんだって楽しみにしていたじゃないか。」
「それは、そうだけれど。」

 審神者は、刀の手から手ぬぐいを奪うと容赦なく首の後ろ、頬、額の汗を拭っていく。
 
「お前たちが楽しそうにするから毎回着るけどね、着物って暑いのよ。これに合わせてクーラーを効かせれば今度は他の人が寒いだろうし。」
「うーん・・・ほら、オシャレは我慢ってやつじゃない?」
「そりゃあ、お前はそうかもしれないけど。」

 審神者は伊達刀が上着も脱がずに全身正装を着込んでいるのを胡乱な目でねめつける。
 まったく、とため息を吐いた審神者の目が、そのままスゥと流れてこちらを向いた。
 この手に持つものを見て目を輝かせたので、少しだけ目尻を下げて声をかけに行く。

「何かお飲みになられますか。」
「えぇ、どうぞお願い致します。」

 凛とした受け答えの後、嬉しそうに近侍を見上げる瞳は少女のそれで、それを見下ろす近侍もまた微笑ましげに目を細めた。
 会議の場では堂々としている審神者たちも、自分の本丸に帰れば少しはスキが有るのだろう。
 
 男は審神者の少し弾んだお礼の声を受け取って、持ち場に戻ることにした。

Re: リレー小説②

  • kanoco
  • 2021/08/08 (Sun) 20:25:02
戻る最中、机にぺしゃりと潰れたように突っ伏している女審神者の隣にいる加州清光がちらりと自分に目を向けたのに気づいてそちらの様子を窺う。
すると加州清光はひらひらと小さく手を振ってみせた。どうやら呼ばれているのだろうと判断し、男は次にそちらへと足を向ける。

「どうなさいましたか」
「あー、ええと何か飲み物もらったりできる?」
「はい、お持ちします……ところでそちらの審神者様は」

起きていますかと聞くべきか生きていますかと聞くべきか。
思案しているうちに加州清光は困ったように眉を下げた。

「ああ、気にしなくて大丈夫。寝不足なだけだから……出来たら主の目が覚めるような珈琲とかだと嬉しいかも。冷たいやつで」
「畏まりました」

頭を下げて踵を返した男の耳には、先刻の加州清光と審神者との会話が聞こえてくる。

「だから明日は会議だから早く寝ろって言ったのに」
「うーん……そうなんだけど負けっぱなしって言うのも気に入らないしちょっと熱が入っちゃってね」

よもや、戦いの中で喫した敗北の不名誉を雪ぐために戦術を立てていて夜更かしでもしていたのだろうか。
審神者と言う職業は過酷なものだと聞いてはいたが、あんな風に机の上に潰れるほどの疲労を抱えたまま会議にやってくるとは――

「大体さー、大典太がめちゃくちゃ格ゲー強いの知ってるでしょ。なんで勝つまでやろうとしちゃうかなあ」
「だってさー。蛍と国俊があたしに仇討ってって言ってきたんだもん。あの2人の言うこと無下にできないよ」

……前言撤回。聞かなかったことにして男は頼まれた飲み物を手配するべく歩き出したのだった。

Re: Re: リレー小説②

  • 通りすがり
  • 2022/02/13 (Sun) 21:49:37
 おっと。頼まれていたアイスコーヒーを運んでいたら、つい何かに躓きそうになってしまった。はて。男は足元に目をやった。

リレー小説①

 通知を受けて、素直に喜びを見せた者もいれば、眉をしかめた者もいた。なんでもその通知の発信元である時の政府は、我が国の歴史保全に身を賭して勤めている全ての関係者へ、慰労の意味をこめたささやかな感謝の場を提供するというのだ。
 案内に従いゲートを超えれば、今では滅多に見なくなった夏祭りの光景がそこにあった。焼いたもろこしの香り、花火の火薬の匂いが生ぬるい風とともに運ばれてくる。
「よく来たね。さあ、まずは腹ごしらえなんてどうだい?」
 道ゆくものに、屋台の気前のいい男性が起こし金片手に声をかけた。

Re: リレー小説①

  • kanoco
  • 2021/08/08 (Sun) 18:15:04
「……さて、と」

縁日の様子を見渡しながら山姥切長義は腕を組む。訳あって己が本丸の外に出ることができない主より、縁日らしいものを買ってきて欲しいとの命を受けてやってきた、のはいいのだが。

「……縁日らしいものってなんだ」

ざっくりと、「長義のセンスに任せるからなんか縁日らしいもの買ってきてよ」だなどと言われただけでは山姥切長義にはどうしようもない。

「だから主は言葉が足りないと言うんだ、くそっ」

吐いた悪態にはそれでも、怒りや憎しみのような色は一切混じってはいない。
どちらかと言えば、それでも彼が自分の主であることには変わりがないと言う諦めにも似た、それでも確かに主を敬愛していると言う感情――苦笑いを浮かべながら、山姥切長義はふと目の前を歩くどこかの審神者とその連れらしき刀剣男士に声をかけた。

「すまない。主より、縁日らしいものを買い求めてくるよう命を受けたのだがどんなものを買って帰ればいいだろうか?」

Re: リレー小説①

  • 桜風
  • 2021/08/08 (Sun) 19:17:32
 声を掛けられた審神者は足を止めた。
 年の頃は二十歳前後で、朝顔の柄の落ち着いた色合いの浴衣を着ている。
「こんばんは」
 突然声を掛けられたにもかかわらず挨拶を返した彼女に「こんばんは」と戸惑いながら山姥切長義は返す。
「えっと、縁日らしいものですか?」
「ああ。事情があって本丸から出られない主から、縁日らしいものを購入して来るように言われて来てはみたものの、何を選べばいいのかわからず途方にくれていたところなんだ」
 なるほど、と彼女は頷き、「何がいいしら?」と隣に立つ歌仙兼定に水を向けると、軽装を身にまとった彼は「そうだね」と腕を組む。
「花火はどうだろう。とても風流だ」
「どうやって持って帰るの」
「では、金魚などどうだい? 可憐だし、目で楽しめる」
「金魚掬いは、掬うということを含めての縁日の屋台だからね」
「意見を聞いておきながら……。では、君は何がいいと思うんだい?」
「型抜き」
「持って帰って来られて面白いかい?」
「焼きそば、焼きイカ……わたあめ!」
「すまないね、ウチの主は何を置いても食い気なんだ」
 急に謝られて山姥切長義は困惑しながら「いや」と返す。
「じゃあ、水風船」
「萎むよ」
「いいのよ。諸行無常が詰まってるじゃない。これ、雅判定貰えないの?」
「君は水風船に諸行無常を見出しているのかい?」
「もう! じゃあ、無難なところでお面とか、あと向こうに風車を売ってたわよ。その向かいの屋台は焼きトウモロコシだった」
「ああ、君が二本平らげたあれの近くか」
「歌仙の分も買ったのに食べなかったから、仕方なく私が食べただけじゃない」
「僕は要らないと言ったはずだよ」
「後でほしいって言うかと思ったのよ」と歌仙兼定に返した彼女は山姥切長義に視線を向けて「ねえ、何か参考になるものあったかしら?」と期待の眼差しを向ける。
 初見の印象と随分と異なる彼女の様子に気圧されながらも「ああ、とても参考になったよ」と返した山姥切長義は礼を言ってその場を離れる。
「よーし、次はたこ焼きだー」という彼女の声と「まだ食べるのかい」という歌仙兼定の声を背に、山姥切長義はもう少し『縁日らしいもの』を探すことにした。

Re: リレー小説①

  • 羽山
  • 2021/08/08 (Sun) 19:52:18
「縁日らしいものとな?」
 幼女の隣に立つ小狐丸が問い直した。山姥切長義が次に声をかけた二人組だ。
「あれだろ、東京カステラ!」
「ぬしさま、あれは関西地方だけです」
「なにぃ~!? 政府の用意した縁日に地域差があってたまるか!」
 幼女がまるで幼女らしからぬ口調で話すので、山姥切長義はわけがわからないといった顔で二度見した。どう見ても五歳程の幼女だ。アロハシャツにハーフパンツ、ビーチサンダルに麦わら帽子と、夏を楽しむ気満々な姿の幼女に違いない。
「まあ、」
 ごほん、と幼女は咳払いをする。そして、にこりと笑みを向けた。
「とうもろこし、焼きそばにかき氷……は持ち帰る間に溶けるか。まあ、あとラムネでも買って行けば縁日らしくなるんじゃないか?」
「飲食物ばかりではないですか」
「ええい、では変なお面でも買っていけ!」
 幼女が小狐丸に抗議をしつつ、山姥切長義に向かって言う。ああ、と気圧され気味に言って山姥切長義は頷いた。
「ありがとう、参考になった」
 そう言って山姥切長義は二人と別れた。
 やはり飲食物なのだろうか、と思いながら山姥切長義は縁日の屋台の間を歩き出した。

Re: リレー小説①

  • 雅千花
  • 2021/08/08 (Sun) 21:57:56
 山姥切長義は、次は落ち着いた物腰の壮年の男審神者に尋ねてみることにした。軽装姿の明石国行・愛染国俊・蛍丸を連れている。
「縁日らしい食べ物ですか?そうですね、今まで食べたのは焼きそばに綿あめ、ラムネ、今川焼……」
「今川焼ぃ?それまだ食ってねーなぁ!」
「さっき食べたやないか。回転焼きのことや」
「そっかー!なら残りはたこ焼き・りんご飴・焼き鳥・タイ焼き・イカ焼きだな!やっぱ祭りはいいぜ!」
「俺、次は甘いのが食べたいな。かき氷とか……子供じゃなくても甘いの食べたいときってあるからね」
「蛍丸も愛染国俊も護衛任務中ってこと忘れんようにな」
「任せとけって!食った分だけ暴れるぜ!」
「はぁーい」
「やれやれ、よう食べますわ。主はんのおかげで蛍丸や愛染国俊を夏祭りに連れて行ってやれたうえに、負担が半々になって助かりますわ」
「……構わないですが、あなたは来派の保護者ですよね」
「そして、主はんは本丸の全男士の保護者や」
 にっこりと笑う明石国行。苦笑した男性は、「これで回答になったでしょうか」と山姥切長義に言った。
「夏祭りに売っているものなら、きっとどれでも喜ぶと思いますよ。あなたがそうやって悩んで選んだものならなおさらのことでしょう」
 そうして、男性審神者は来派の男士に囲まれながら、人ごみに去っていった。

Re: Re: リレー小説①

  • 通りすがり
  • 2022/02/13 (Sun) 21:46:10
 ひゅるるるるる…………ドーン!
 歓声と共に、夜空に花火が咲いた。咲いた。咲いた。惜しげもなく全力で咲く花火。それは、儚くも美しい、慰霊のカタチ。
 ほう。長義の口元がゆるんだ。(終わり)

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Re: テスト

  • 羽山@主催
  • 2021/07/12 (Mon) 23:01:35
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